第78回年次大会 領域11インフォーマルミーティング(IM) 議事録 日時:2023年9月16日(土) 18:00--20:00 場所:東北大学川内キャンパス 会場:C206 代表:笹本※オンライン参加  副代表:樺島  議事進行:森  議事録:中川 資料の google drive: https://docs.google.com/presentation/d/1VIAfA7z4PEbGXzLa3ZbvgkgDl7lQl--b/edit?usp=share_link&ouid=103935123650217919346&rtpof=true&sd=true 議事内容: 1.次期領域代表・副代表の選定(審議事項) ・次期(任期:2024年4月〜2025年3月)領域代表:樺島祥介先生(東大)、領域副代表:郡宏先生(東大)が承認された。 2.新運営委員の紹介(報告) ・新運営委員(任期:2023年10月〜2024年9月)の4名[前回IMで承認済み]:唐木田亮先生(産総研)、岡田崇先生(京大)、伊丹將人先生(京大)、白石允梓先生(明治大)の紹介がなされた。 3.次期運営委員の選定(審議事項) ・次期運営委員(任期:2024年4月〜2025年3月):山口直也先生(金沢大)、濱崎立資先生(理研)、白坂将先生(大阪大)、石本健太先生(京都大)が承認された。 4.プログラム編成作業について(説明:会場係 高橋委員) a. 前回大会領域11の基本データについて(報告) ・ポスター講演数はコロナ以前と比べると低水準 ・概要提出率は相変わらず低い(今回は領域1〜13のうち12位) b. 合同セッションについて(報告) ・領域11が主担当の合同セッションは「量子スピン・ボソン系」「生物・生態系」「アクティブマター」、副担当は「非エルミート系」「ガラス」であることが報告された(いつも通り)。 c. バッティングルールの簡素化と追加について(提案) ・今回は2022年9月大会IMで行われたプログラム編成時のバッティングルールの簡素化についての議論の続き ・高橋委員より以下の3つの提案が説明された: 1.「生物物理(領域12)」と「生物合同(領域11)」の重複回避のルールは削除 2.「スピングラス(領域3)」と「古典フラストレート系(領域11)」の重複回避はルールとして明記することをやめ、独立セッションが立った場合に検討 3.「ゆらぎの熱力学・エントロピー」「非平衡系(輸送現象・相転移など)」の重複回避のルールを追加 コメント: ・ルールを削除するとしたら相手の領域にも連絡が必要(樺島副代表) ・生物合同の件は、以前領域11に生態で独立したセッションがあったが、これが生物合同となったため現在は特に気にする必要はない。  →つまり本当にただ昔の名残で消されずに残っているルールだった  経緯:  -2013年秋までは「生物・生態系(社会・言語・ゲーム等を含む)」があった。  -2012年〜2013年に領域12との合同セッションの開催を望む声が増え、IMで議論の上、「生物・生態系(領域12との合同セッション)」と「社会系(言語・ゲーム等を含む)」にキーワードを分割し合同セッションを作成した。  参考(2012-2013年頃のIM議事録)  http://www.r11.div.jps.or.jp/kiroku.html#:~:text=2013%E5%B9%B4%E7%A7%8B%E5%AD%A3,%E5%A4%A7%E4%BC%9A(3/25) ・プログラム編成の効率化のためのツールの情報共有をした方が良い(樺島副代表)  物理学会の参加費は安い。値上げをしてもツールを導入しても良いかもしれない。 ・今回の高橋委員からの提案について、その場では特に反対意見は出なかった。今後実際に変更する場合は、相手の領域に連絡する必要があることに注意。 d. キーワード変更について(報告) ・奥西巧一先生(新潟大学)より、55.密度行列繰り込み法(density matrix renormalization group methods)を 55.テンソルネットワーク(tensor networks)に変更することの提案があることが説明された。 ・秋の開催分については前回IMで承認済みのため、今回は春の開催分についての提案(春・秋で独立してキーワードを管理しているため、春についても変更を申請) ・キーワードの変更が承認された e. 今回のプログラム編成で気づいた点・反省点 ・領域内作業は定型化が進みやや効率的に。それでも1週間くらいは多くの人が丸々作業していた。  →今後も作業の効率化は検討してほしい ・領域間交渉は現状もメール。裏で何が起きているのかわからない。セッションの移動に気を使う状況に変わりない。  →重複登壇可能な春季大会ではやはり大変なはず ・セッション22枠に対して26件の提案  →調整に難儀 ・過去大会における各セッションの聴衆数情報が提供されなくなった。会場規模調整は委員の印象頼りに。  →事務局に提供するように依頼するつもり ・「初日午前・最終日午後に連続して当たらないようにする」ルールは量子スピン系では困難(関連セッションが4つある)  →今回は『「同じ講演者が」初日午前・最終日午後に連続とならないようにする』範囲で調整した。 5. 新領域「計算物理」試行について(議論) a. これまでの意見・論点の抜粋 幹事の森委員より以下が説明された: ・手続き上の問題:新領域設立手順書と実際の手続きの齟齬 ・新領域が扱う内容(定義)の問題:どの範囲にするのか?(APSやIUPAPと揃えるのか?)はっきりしない。 ・プログラム編成上の問題:領域をまたぐ発表が増加するとプログラム編成が破綻する b. 領域11への想定される影響 幹事の森委員より以下が説明された: メリット ・横断的な視点で計算物理に取り組む方にとってはメリット デメリット ・人の流出:領域の規模の縮小、特に賞枠の減少 ・計算物理の専門家との議論が疎遠になる ・領域選択の混乱 ・プログラム編成上の困難 c. 領域11としての議論 ・冒頭に樺島副代表より、同日昼に理事会が開催した『新領域「計算物理」試行についての説明会』(IM)の報告があった: -領域新設手順書と実際の手続きの齟齬の問題 -会長が提案しているからOKという姿勢(少なくともそのような印象を受けるような進め方) -計算物理が扱う内容(定義)が曖昧  →今後ワーキンググループ(WG)が大変になる。WGの前に計算物理を提案している人たちが定義を提示すべき。 -若手賞枠が減少することをデメリットと感じるかメリットと感じるかは人によると思う ・以降の議論では、自然な流れとして、 1.まず新領域試行を認めた場合の「運用上の議論」が行われ、 2.つぎに、そもそも「試行を認めるのかどうかについての議論」が行われた。 ◎運用上の議論: 意見・コメント ・領域11として定義を提案しては?(藤堂先生) ・新領域を提案している人たちが定義を考えるべき(樺島副代表) ・定義で明確に線引すると、それまで一緒だった人たちが分かれてしまうというデメリットがある(小谷野先生) ・今まで一緒だった人たちが分散してしまう問題に対して、同時間帯にしないようにするのか、気にしないのか、見えてこない(中山委員)  →その点については試行期間(3年)で形が出来てくるのでは。試行期間には色々起こるとは思うが。(樺島副代表) ・プログラム編成は現在でも大変。さらに領域間の新たなルールを作るのは難しい。合同セッションも難しい。 ・横断的な視点で計算物理を議論できるという新領域のメリットを重要視すれば、領域11との合同セッションや重複登壇は認めないということで良いのでは(樺島副代表) ・それだと領域11の発表が減る、若手賞枠も減るのでは(藤堂先生)  →計算物理で発表しても申告があれば領域11で発表したことにする「みなし講演」にしてはどうか(樺島副代表) ・年会でしか計算物理は開催しないということだったので、計算物理に若手賞はできない可能性がある ◎試行を認めるかどうかについての議論: 意見・コメント ・理事会にはもっと時間をかけてやってほしいと思っている(笹本代表) ・手順書変更の件と新領域試行の件は分けて考えるべき(藤堂先生)  →手順書と実際の手続きの齟齬が改めて説明された(笹本代表) ・WGで検討した後で領域委員会で試行決定が妥当。事前に意見する場所があるべき。(笹本代表) ・物理学会として人が増える方が良い、そのためには定義は既存領域と被らないほうが良い ・領域11のメーリングリストで募った意見募集では特に反対はなかった。但し、懸念事項はある。(笹本代表) ・基本的には良い形で新領域をはじめてほしいと思っている。引き続き領域11内で議論しながら進めていきたい。(笹本代表) ・現場での議論は以上 -参考- IM後、上記の議論を受けて、笹本代表によるまとめ(総括)が領域11運営委員のslack上であった。 以下に、その際の文言を載せる。 ◎【総括】(笹本代表) ・下記の点が大きな問題であることが出席者で共有された: 1.新領域が扱う内容がはっきりしていない。 2.他領域への影響(特にバッティング考慮など領域委員の作業)への配慮が不足。 3.手順書の改訂と領域委員会での承認を同時進行的に進めるのは問題。 4.試行を決めた後WGを立ち上げるのではWGの負担が大きくなる。 ・上記懸念があるため、以下を理事会に伝えようと考えている。 a.従来の手順書通りWGで検討した上で試行の承認に進むようにすべき。 b.新領域が扱う内容を明確にした新たな提案書を出しなおしてもらうべき。 c.領域委員の作業量が増えないことが担保された形で進めるべき。 その上で、それでも11月の領域委員会で試行の方向性を決めようということであれば、反対する。 ・その他の意見 1.試行期間中、他の領域への影響を減らすためには、試行領域での発表を他の領域での発表とみなすこともできるのでは。 2.年会しかないとすると、若手賞は出さないということも考えられるのでは。 3.【追加意見】(樺島副代表) ・「キーワード」のたたき台を、現在の他領域のものを参考に、提案者に作ってもらうことを必要条件にする ・まずは提案者がキーワードを提示し、現在ある領域が「このキーワードは入れてもよい/入れないで欲しい」と判断することで、全体が満足できる新領域の形が出来てくるのではないか ----- 6.次回物理学会でのシンポジウム提案について(議論) ・現在までに提案なし ・春にアナウンスしたが効果がなかった。締切は10月中だろうと思われる。確認してメーリングリストに流す。(笹本代表) 7.その他:STATPHYS28の報告(報告:出口哲生先生) ・一般とポスターの申し込み1040件 過去最多に並ぶ規模 ・トラベルサポート、保育室開設もやった ・44カ国からの参加(中華系が多い、ロシアからも来てくれた) ・非平衡分野が最多 ・ボルツマン賞の授賞式は欧州に合わせた ・次回STATPHYS29は2025年夏、フィレンツェ 8.運営委員の担当引き継ぎ(現運営委員のみ) 幹事:森 → 廣田 広報:中川 → 久野 ※ 会場:高橋 → 河村 WEB(会場補佐):中山 → 加藤 ※ ※会場補佐は、WEBから広報に移管することになった